KANADEL ART

「いい香り」から「私らしい香り」へ

もっとシンプルに、自分の香りをつくる

「いい香り」だけではなく、「私らしい香り」を

50代になった今、ふと振り返ると、私たちはずいぶん長い時間、「誰かがつくったもの」を身につけてきたのだと思います。

洋服も、バッグも、靴も、アクセサリーも。そして香水も。
若い頃、憧れのブランドのバッグを持つことが嬉しかったように、お気に入りのブランドの香りを纏うことにも、特別な意味がありました。

その香りをつけるだけで少し背筋が伸びて、自分が一段上の女性になったような気がする。

ブランドの名前が、そのまま自分のステータスや美意識を表してくれるような感覚があったのかもしれません。


もちろん、それは今でも素敵なことです。


長く愛されてきた香りには、そのブランドが積み重ねてきた歴史や哲学があり、誰もが知っている香りを纏うことで、自分の中にある憧れや理想を表現することもできます。
でも、人生の時間を重ねてきた今だからこそ、少し違う楽しみ方があってもいいのではないかと思うのです。

50代の私たちの若い頃(土の時代)は、「どこのブランドを持っているか」「どんなものを身につけているか」が、自分を表現する大切な要素だった。でも、いろいろな経験をして、たくさんのものを手にして、そして必要なものと必要ではないものが少しずつ分かってくると、だんだんと「誰かが決めた素敵」ではなく、「私はこれが好き」という感覚のほうが大切になってくる。

人からどう見えるかより、自分が心地いいかどうか。流行しているかどうかより、自分の気持ちが動くかどうか。そんなふうに、ものとの付き合い方そのものが変わってくるのではないでしょうか。

だからこそ、香りももっと自由でいい。

誰もが知っている香りを選ぶのではなく、「私が好きな香り」を選ぶ。そして、さらに一歩進んで、「私のための香り」をつくってみる。そんな選択肢があってもいいと思っています。

香りは、とても不思議なものです。

目には見えないのに、その人の印象をつくります。


同じ香りでも、纏う人によって感じ方が変わるし、その日の気分や記憶によっても、まったく違って感じることがある。

だから香りは、単なるファッションアイテムではなく、その人自身に寄り添うものなのだと思います。

そして、50代という年代だからこそ、香りを「自分らしさ」のひとつとして楽しんでほしい。

これまで何を選んできたかではなく、これから何を選びたいのか。そんな視点で、自分の香りを見つめてみるのです。

アートから生まれる私だけの香り

今回、恵比寿のHUGONISTで開催する「ART × FRAGRANCE」は、そんな思いから生まれました。

アートの体験を通して色にふれ、感じて、そのとき自分の心が動いたものを選ぶ。そして、その選んだ色やイメージを入り口にして、自分だけの香りをつくっていく。一般的な香水選びのように、最初から用意された香りの中から「これが好き」と選択するのではなく、まず自分の感覚に触れるところから始まります。

私は、アートにはその人の内側にあるものを引き出す力があると思っています。

好きな色を選ぶとき、私たちは頭で「この色が正解」と考えているわけではありません。
なぜか目がいく色、なぜか心に残る色、理由は分からないけれど惹かれる色。そこには、その人自身の感性や、そのときの気持ちが自然に表れていることがあります。

だから私は、アートと香りはとても相性がいいと思っています。

目で感じるものと、鼻で感じるもの。一見するとまったく違うものですが、どちらも理屈より先に感覚に届くものだからです。

「なぜこの絵が好きなのか」「なぜこの香りが好きなのか」と聞かれても、すぐに言葉にできないことがあります。
でも、言葉にできないからこそ、自分の奥深くにある感覚なのかもしれません。

これからは「私が選んだもの」を纏う

今回のART × FRAGRANCEでは、アートをきっかけに、自分の中にある「好き」を見つけていきます。
そして、その感覚を香りへとつないでいく。

それは、単にオリジナル香水をつくる体験ではありません。

「私は何色に惹かれるんだろう」「今の私は、どんな香りを纏いたいんだろう」「これから、どんな自分でいたいんだろう」。そんなことを、少しだけ立ち止まって感じてみる時間です。

人生の中で、私たちはたくさんの役割を担ってきました。
母として、妻として、仕事をする一人の女性として、誰かを支える人として。その中で、自分自身の「好き」や「心地いい」を後回しにしてきた人も、きっと少なくないと思います。

だからこそ、これからはもっとシンプルに、自分のために選んでいい。

誰かに褒めてもらうためでもなく、ブランドを身につけていることを示すためでもなく、「この香りを纏っていると、私は心地いい」と思えるものを、自分自身の感覚で選ぶ。

そんな時間を、アートと香りを通して楽しんでもらえたらと思っています。

これからは、「私が選んだもの」を纏う

50代になると、人生は「足していく」だけではなく、「選び直していく」時間にもなっていくのだと思います。

これまで大切にしてきたものを手放すこともあるし、昔は興味がなかったものに、突然心を惹かれることもある。
誰かの価値観ではなく、自分自身の感覚を基準にして、もう一度選び直していく。そんな自由が、少しずつ増えていく年代なのかもしれません。

香りも、そのひとつです。

昔好きだった香りを、今も変わらず好きでいることも素敵です。そして「今の私には、この香り」というものを新しく見つけることも、とても素敵なことだと思います。

そして、それが世界にひとつだけの香りだったら、もっと嬉しい。

香りは、目に見えません。だからこそ、誰かに見せるためのものではなく、自分自身が感じるためのものにできる。

ふとした瞬間に香りを感じて、「ああ、これが私の香り」と思える。そんな小さな幸せを、自分のために持っていてほしいのです。

ブランドという「名前」を纏う時代から、自分自身の「感覚」を纏う時代へ。

もちろん、ブランドの価値がなくなるわけではありません。むしろ、これまでたくさんの素敵なものに触れてきたからこそ、自分にとって本当に心地いいものを見極める目が育ってきたのだと思います。

ブランドを選ぶことも、自分で香りをつくることも、どちらも自分らしさを楽しむ方法。その中で、今の自分にちょうどいい選択をすればいい。

「自分の香りをつくる」というと、少し特別なことのように聞こえるかもしれません。でも、本当はもっとシンプルです。

好きなものを好きだと感じること。
心が動くものを選ぶこと。
そして、自分が心地よいと思うものを、自分のために纏うこと。

それだけでいいのだと思います。

これまで、私たちはたくさんの「素敵」を教えてもらってきました。

だらこそ、これからはその中から自分だけの「好き」を選んでいく。

アートをで選ぶ色、選ぶ香り

その一つひとつの選択が、今の自分を知る小さなきっかけになるかもしれません。

そして、出来上がった香りを纏ったとき、「これ、私の香りだ」と思えたら。

それはきっと、ブランドの名前では表現できない、自分だけのステータスなのだと思います。

もっとシンプルに。
もっと自由に。
もっと、自分らしく。

これからの人生に纏う香りは、自分自身でつくってみませんか。

恵比寿・HUGONISTで開催する「ART × FRAGRANCE」で、アートと香りを通して、今のあなたにしかつくれない「私の香り」を一緒につくれたら嬉しいです。