7年目のアート人生②
軸を貫いた代わりに、失敗は誰よりもした。

前回のブログで、「私には一度も曲げなかった軸がある」と書きました。
でも、その軸を貫くことは、決して楽な道ではありませんでした。
むしろ逆。とにかく遠回りばかり。
展示会を開催すれば、人が集まると思っていましたし、でもやっぱり現実はそんなに甘くはなく。何カ月も準備をして迎えた当日、想像していた景色とは違うことが何度もありました。
作品を飾れば売れるわけでもない。
「キレイな作品ですね。」と言っていただけても、その言葉が購入に繋がるとは限らない。
展示会のたびに期待するほどの結果につながらず、また次の展示会で改善する。その繰り返しでした。
これくらいでいいか、を自分に許さなかった
企業への提案も同じです。
「きっと喜んでもらえる。」
そう思って持って行った企画が、あっさり断られることもありました。
返事すらいただけないこともほとんど。
もちろん落ち込みます。
でも、不思議と「もうやめよう」と思ったことはありませんでした。
断られたということは私の伝え方が悪かったのかもしれない。
相手が求めているものを理解できていなかったのかもしれない。
タイミングが違っただけかもしれない。
そうやって一つずつ振り返りながら、少しずつ修正してきました。
作品づくりも同じです。
完成したと思って壁に飾ってみると、「何か違う。」
その違和感が消えなくて、また最初から描き直す。
一枚で終わるはずだった作品が、三枚、四枚と増えていくことも珍しくありません。
「これくらいでいいか。」
その言葉だけは、自分に言いたくなかったんです。

納得できる1枚に出会えるまで
今でこそ「Hanaさんの作品は繊細ですね」と言っていただくことがありますが、それは最初からできたわけではありません。
紙を変える。
インクを変える。
アルコールの配合を変える。
風の当て方を変える。
ドライヤーを変える。
湿度を見ながら描く時間まで変える。
ほんの少しの違いを確かめるために、何百回と試作を繰り返しました。

完成した作品より失敗作の方がずっと多かったけれど、でも私は、その失敗作を無駄だと思ったことはありません。
一枚失敗すると、「この方法では理想の表現にはならない」という答えが一つ増える。
その積み重ねが、今の作品を作ってくれました。
最近、「順調ですね」と言っていただくことがあります。
でも、順調だったとは言いきれないほど、思い通りにいかないことの方が多かった。それでも前に進めたのは、「失敗しない方法」を探していなかったからだと思います。
失敗することを前提にしていたわけでもありません。
ただ、挑戦すれば失敗するのは当たり前だと思っていました。
だから失敗したら、「やっぱりダメだった」で終わるのではなく、「次はどうする?」と考える。その繰り返しです。
才能があったから続いたのではなく、納得できるまでやめなかっただけ。
誰よりも上手だったわけではないし、むしろ不器用で細かな作業が苦手。そして誰よりも効率が良かったわけでもありません。
ただ、人より少しだけ諦めが悪かった。
そして何より情熱だけで突き進んできたように思います。
だから私は、アートを仕事にしたいという方へ「才能がなくても大丈夫です」とは言いません。
才能が必要かどうかは、私には分からないからです。
でも、一つだけ言えることがあります。
軸を持って挑戦し続ける人は、昨日の自分を超えていけます。
それは才能とは別の力です。

最後に
7年間を振り返って思うのは、うまくいくことばかりだったから今があるのではなく、失敗を積み重ねてきたから今があるということ。
もしあの時、一度でも安売りをしていたら。
もし流行だけを追いかけていたら。
これが常識とささやかれることを、自分の気持ちを押し殺して従おうとしていたら、まちがいなく今の私はいなかったと思います。
遠回りだったかもしれません。
きっと、もっと近道もあったのかもしれません。
それでも、自分で考え、自分で失敗し、自分で答えを見つけてきた7年間だったからこそ、この道を誇りに思えます。
8年目も、きっと新しい壁にぶつかるでしょう。
また失敗もすると思います。
でも、それが少し楽しみでもあります。
まだ見たことのない景色は、きっと失敗の先にしかない。
そう信じているから、私は今日もまた、新しい一枚を描き始めます。

